3カ月のロックダウン(都市封鎖)を経て、ウォール街はオフィス復帰の準備を整えつつある。だが、新型コロナウイルスを寄せ付けない安全な職場環境の維持は、安くは済まない。
空調システムには高機能のフィルターを装着し、外気をより取り込む必要がある。トイレを流した際のしぶきが飛び散ることを防ぐため、便器にふたを取り付ける必要もあるかもしれない。ビルの出口にはふたの付いたゴミ箱が必要だ。従業員がその日着用したマスクを捨てるためにだ。
これらは金融機関をはじめ米企業の多くが取ると見込まれる対策のほんの一例だ。デロイト・コンサルティングの試算によると、新型コロナ関連の対策のため、企業が社員のオフィス勤務に際して負担する費用は全体として、従業員1人当たり最大50%増加する。
デロイトの世界ロケーション戦略事業責任者のダリン・ビューロー氏は、「無料でこうした対策はできない。全てを合わせると、膨大な額になる」と指摘。それでも「企業はやるだろう。従業員にオフィスに戻ってもらいたいからだ」と述べた。
デロイトによると、従業員1人をオフィス勤務させる際に企業が負担するコストは年間7000-1万2000ドル(約75万-130万円)が一般的だ。従って従業員が1万人いれば、新型コロナ対策で年6000万ドルの費用が上乗せされることになり得る。米大手銀行は全て、ニューヨーク都市圏だけで少なくともその規模の従業員を抱える。
22日からゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースは、従業員の段階的なオフィス復帰プロセスを開始する。マンハッタン全体ではその週に、15万-30万人がオフィスに戻ると予想される。
原題:
Returning to Offices Could Cost $18,000 Per Banker: NYC Reopens(抜粋)
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June 20, 2020 at 05:22AM
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バンカー1人のオフィス復帰に約200万円、ウイルス対策費用膨らむ - ブルームバーグ
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