複数人による2週間徹底レビューでアーロンチェアを超えたおすすめオフィスチェア、とは?
外出自粛が続く中、自宅で長時間仕事をするようになった人が多いことと思いますが、肩こりや腰痛が出ていないでしょうか? これからしばらく自宅がオフィス化していくなら、仕事しやすい環境を整えたいですよね。そこで今回、さまざまなガジェットを徹底比較してくれることで大人気の米国メディア「Wirecutter」からベストなオフィスチェアのレビューを翻訳してご紹介します。
たいていのチープなオフィスチェアは、座ってると飛行機のエコノミークラスに押し込まれた気分になりますが、良質なオフィスチェアは仕事時間をファーストクラスにアップグレードしてくれます。今回我々は数十のオフィスチェアをテストし、人間工学の専門家4人にインタビューし、さまざまな体格のテスト参加者に合計175時間座り比べてもらいました。
結果、2015年からオフィスチェアをレビューしてきたWirecutterがベストなオフィスチェアとしてピックアップするのは、Steelcase(スチールケース)のジェスチャーチェアです。
おすすめのオフィスチェアたち
イチ押し:Steelcase ジェスチャーチェア
これぞベストなオフィスチェア。
今世にある中で一番体に合わせやすいオフィスチェア。身長や体格に関係なくどんな人でも快適なポジションに調節でき、耐久性も高いです。価格はSteelcase公式で19万6000円〜、Amazonで16万4000円〜 。
Steelcaseのジェスチャーチェア(以下ジェスチャーチェア)は15万円以上しますが、座り仕事が長い人には十分有意義な出費です。サポート感、調節の簡単さ、そして座り心地の良さは10年以上続きます。Wirecutterスタッフも含めて複数のテスト参加者がオフィスチェアを試す中で、ジェスチャーチェアは2015年以来高評価が続いています。背中のサポートから良質な生地、安定感のある操作レバーまで、すべてが時間によって証明されています。ジェスチャーチェアは生地や仕上げのオプションもすごく豊富で、置く場所に合わせて外見をカスタマイズできるのもポイント高いです。
次点:Herman Miller アーロンチェア
アイコニックで快適で、通気性良し。
オフィスチェアといえばこれ!なアーロンチェアですが、アームレストの調整範囲が狭く、ジェスチャーチェアに比べると快適にできるタスクが限られています。でもメッシュなのでフォーム材より通気性が高く、机でのタイピングに関してはジェスチャーチェアと同じくらい快適で、サポート感も高いです。サイズが3段階あるので、体格にも合わせやすいです。
価格はHerman Miller公式で20万5700円〜、Amazonでは21万3400円〜。
アイコニックなHerman Miller(ハーマンミラー)のアーロンチェアは、背もたれも座面もメッシュなので、暑がりの人にはジェスチャーチェアよりベターです。人間工学的に優秀で、長時間タイピングしても疲れないチェアが欲しい人にもおすすめです。ただアームレストがジェスチャーチェアほど自由に調節できないので、たとえばタブレットでの読書など、いろんな使い方をするためのひじのサポートのバリエーションが少ないです。でもジェスチャーチェアよりは場所をとらないので動かしやすく、ゴミもつきにくいです。長い歴史を持つアーロンチェアは10年以上使えることが実証されていて、中古オフィス家具のお店ではかなりお手頃になることもあります。サイズが3つあるので、オーダーするならサイズチャートは要チェック。
予算を落とすなら:Herman Miller セイルチェア
お手頃なエルゴノミクス、外見は好みが分かれる。
セイルチェアは倍の価格のチェアと同じくらいサポート感があり快適ですが、細かい調節機能が相対的に少ないです。良くも悪くも、見た目に特徴があります。
価格はHerman Miller公式で8万3600円〜、Amazonでは6万8200円。
ジェスチャーチェアやアーロンチェアは予算オーバーかもしれませんが、Herman Millerのセイルチェアならそれらに近い快適性・耐久性があり、お値段はほぼ半額です。ジェスチャーチェアほど調節の自由さはありませんが、セイルチェアはいろいろな体格・身長のテスト参加者を満足させていました。セイルチェアは腰を強力にサポートでき、プラスティックメッシュの背もたれは布製クッションより涼しいです。スペースエイジ風味の独特のデザインですが、それさえ好きになれれば、豊富なカラバリでオフィスに合わせたり、逆に目立たせたりと楽しめます。
予算がタイトなら:HON Exposure
もっとお手頃だけど、ちゃんと調節可能。
HON Exposureは、これまでにテストした250ドル(約2万7000円)以下のチェアの中で一番座り心地の良いもののひとつで、普通は高価なチェアにしかないいろんな調節機能が備わってます。
価格は米Amazonで250ドル前後からです(編注:…が、残念ながら日本では販売されていません)。
8万円超えのセイルチェアは相対的に「安い」とはいえ、それでもけっこうなお値段ですよね。もっとお手頃で、それでいてしっかりしたオフィスチェアが欲しい人には、HON Exposureなら一番妥協が少なくて済みます。座面の深さとかリクライニングの強さやロック、座面やアームの高さといった基本的な部分がしっかり調節できて、テスト対象のお手頃モデルの中では唯一、3〜4時間座っても快適でいられました。ただこういうお手頃チェアは、機能面とか作りのクオリティ面では当然高級チェアに見劣りするし、耐久性もそこまでじゃありません。でも3万円以内で(訳注:日本では通常売ってないので、個人輸入等すると送料が上乗せになりますが)、ヘタるまでは気持ち良く座れるんなら、それはそれでアリじゃないでしょうか。
1日6時間以上机に向かう人は、イスに投資する価値あり
フルタイムのデスクワークをしている人は、1週間35時間として、10年間で最低1万4000時間を椅子に座って過ごします。残業とか休日出勤とか昼休み返上とかがなくても、そんなに長時間座ってるんです。そもそもずっと座り続けてるだけでも体に悪いと言われてますが、椅子が合ってなければなおさらです。なのでそんな人が家で仕事するとしたら、デスクワークをより快適に健康的にできる椅子を探すことはすごく大事です。
でもそこまで長くパソコンに向かわない人なら、この記事でおすすめするような細かい調節機能のあるオフィスチェアは要らないかもしれません。たまに座ってメールチェックとかゲームとかする程度なら、普通に座り心地が良くて見た目も好きな椅子を選んでOKです。この記事は、オフィスチェアに座ってフルタイム働く人のための記事です。
人間工学の専門家・Alan Hedge氏は、良い椅子選びは良い靴選びのようなものだと言います。デザイン的な好みや、素材や品質も考えたいですが、何より使っていて快適なのが一番、ということです。快適といっても千差万別なので、この記事ではなるべく多様な体型の人に合うオフィスチェアを探しましたが、やっぱり買う前には自分でトライするのがベストです。外出制限のある今日この頃はオンラインで買うという手もありますが、その場合は返品条件をよく確認しておきましょう。
ガチで選んでます
ベストなオフィスチェアを選ぶにあたり、Wirecutterはまずメーカーのサイトをすみずみまで見て新しいモデルをチェックし、過去のWirecutterでのオフィスチェア評価記事も確認しました。またオフィスチェア選びのポイントについて、人間工学の専門家の助言を求めました。そして50モデルのオフィスチェアをリストアップし、次に以下の項目をチェックして10モデルにまで絞り込み、テストパネルによる座り比べを実施しました。
・快適さ(座面・背もたれ・アームレストの快適さと、椅子から立った後の感覚)
・腰と背中のサポート
・リクライニングの簡単さ
・調節機能の豊富さ(最低限、座面の高さが変えられるもの。アームレストの高さや角度、座面の奥行が変えられれば加点)
・耐久性・素材
・価格
・保証(最低5年間)
・外見(テスト参加者の意見+カラバリや生地の豊富さを評価)
快適さは人によって違うので、身長155cmのライターから185cmの編集者まで、いろいろな体格の人にテスト対象のチェアを試してもらいました。テスト参加者は上の観点でコーネル大学による人間工学的椅子評価基準を応用した質問項目を使い、各チェアに対し0(まったくいいと思わない)から10(素晴らしい)の評価を付けています。スタッフが長く使っているオフィスチェアの中にテスト対象のものがある場合、耐久性についてのコメントも収集しました。
すべてのテスト参加者は2週間かけて全チェアに共通のテストを行ない、快適さ、サポート、調節機能、耐久性を評価していきました。単にチェアに座っただけでなく、コンピューターでタイピングしたり、ゲームをしたり、メールを書いたり、会議に出たり、考えごとしたりといった自然な動作をしながらです。姿勢は正しくしたり崩したりして、操作レバーはあれこれ動かし、キャスターはオフィスの中で絶え間なくゴロゴロ転がしました。
「Steelcase ジェスチャーチェア」がイチオシな理由
さまざまな体型の人に合わせられるように調節機能が充実したジェスチャーチェアは、ほとんどの人にとってもっとも快適なオフィスチェアです。あるテスト参加者は、このテストのためにさまざまなオフィスチェアに座った後でジェスチャーチェアに座り、その座り心地を「スパに来たみたい」だと言いました。ジェスチャーチェアはテスト参加者がチェックした全項目で最高評価だった上に、素材もハイクオリティで、12年の保証期間の後も耐えられそうです。デザインは十分美しく、色も数十種類あり、オフィススペースや好みに合わせて選べます。
シートクッションが絶妙で、さまざまな座り方に対応
ジェスチャーチェアの快適さの最大の秘密は、そのフォーム状のシートクッションにあります。あるテスト参加者いわく、同様のチェアと比べると、ジェスチャーチェアは硬さと快適さのバランスが絶妙で、木の椅子みたいに固い安いチェアよりはるかに良いです。ジェスチャーチェアを持っているWirecutterスタッフは、クッションも背もたれもアームレストも、5年間ヘビーに使った後でも、買ったときと同じように快適だと証言しました。
ジェスチャーチェアはさまざまなタスクに適応できて、守備範囲はパソコンでのタイピング作業だけじゃありません。我々のテスト参加者はいろんな体格で、仕事もライターや編集者、フォトグラファーなどいろいろでしたが、誰もがジェスチャーチェアを体格・仕事に合わせて調節できました。たとえば机にかがみこんで手書きのメモを書く、エルゴノミクスを無視してチェアに浅く腰掛ける、ミーティングしながら背もたれにだらっと寄りかかる、といった動作にも難なく対応できました。
リクライニングが最高すぎ
ジェスチャーチェアの腰と背中のサポートは価格帯相応に素晴らしいんですが、もっとすごいのはリクライニングしたり姿勢を変えたりしたときの気持ちよさです。ほとんどのチェアの背面はリクライニングしても単に角度が変わるだけですが、ジェスチャーチェアは伸びるんです。人間の背骨は、まっすぐに座っているときとリクライニングするときでは形が変わるので、それに合わせているわけです。
Rani Leuder氏によると、リクライニングには人間工学的な意味があります。いわく、
「後ろに寄りかかると、一時的に背骨の負担を緩和できるだけでなく、足と胴体の角度が広がります。また動くことで圧力の配分が変わるので、血行改善に役立ちます」
そのリクライニングが一番気持ち良い、とテスト参加者全員が一致したのがジェスチャーチェアでした。普通のオフィスチェアだと、リクライニングしてから足なり体幹なりの力で押し続けないと角度が戻ってしまいますが、ジェスチャーチェアはリクライニングの角度をキープしてくれるんです。
ジェスチャーチェアは調節機能が幅広く、かつ操作は簡単、仕事内容や体型に合わせてさっと変えられます。右側のノブでは、座面の高さや奥行、リクライニングさせるときの強さ、リクライニングできる最大範囲を調節できます。
アームレストが優秀、ほぼどんなポジションにも対応
またジェスチャーチェアのアームレストは、今回テストした中で唯一球関節状になっていて、ほぼどんなポジションにも調節できます。アームレストの下のタブをホールドしてロック解除すると、アーム全体を自在に動かせます。ただ高価なチェアだとだいたい、アームレストは上下・前後・開き具合くらいは変えられます。安めのチェアではそこまでの調節ができることはまれで、できるのは上下の動きくらいです。
Pynt氏によれば、腕のサポートは重要です。
「どんな姿勢でも、腕のサポートなしで前かがみになると、背中の筋肉を長時間使います。これが筋肉の緊張と痛みにつながります」
ジェスチャーチェアの強力なひじサポートは、リクライニングして本を読んだり、ゲームしたり、長時間タブレットで絵を描いたりと、いろんなシチュエーションで役立ちました。
ビジュアルも好評
テスト参加者からは、ジェスチャーチェアはミニマルでもしっかり見えて、プロフェッショナルな場所や、プロっぽくしたいホームオフィスに合っているとコメントがありました。Steelcaseのグローバルな12年保証は、高さ調節のシリンダーも含め、この手のチェアにありがちな故障のすべてをカバーしています。Wirecutterのテストでも長年ヘビーに使っていて、耐久性は折り紙付きです。ジェスチャーチェアはほとんどの場合15万円以上と高価ですが、色にこだわりがなければ中古オフィス家具店などでお買い得品を見つけられるかもしれません。ただし中古だと保証が付かないので、そこは注意です。
背もたれの素材に注意
暑がりの人とか、エアコンのない部屋、全体的に暑い地域に住んでる人にとっては、ジェスチャーチェアは向いてないかもしれません。フォーム材とか布地は通気性が低く、暑い日には背もたれに汗がにじんでくるかもしれません。それを避けたい人は、この記事の他のおすすめは背もたれがメッシュで通気性が高いです。あとは布じゃないほうが、ゴミは付きにくいです。
ジェスチャーチェアは良質なチェアですが、Steelcaseの広告から受ける印象とは違って、人間工学の革命!ってものでもありません。アームレストはなかなか芸が細かいですが、体のサポート構造という意味では、10万円前後のエルゴノミクスなタスクチェアはみんな同じような機能です。ジェスチャーチェアが他と違うところは、リクライニングのしやすさ、快適に座れるポジションの豊富さ、調節の簡単さといったところです。
重さが70ポンド(約31kg)あるジェスチャーチェアはヘビー級で、オフィスの中であちこち移動させるのには向かないです。でもその分とても頑丈です。
「Herman Miller アーロンチェア」は好みが分かれた
Herman Millerのアーロンチェアは総メッシュで、座面や背もたれにはパッドも入ってないですがすごく快適です。テスト参加者の中には、アーロンチェアが体を支える感覚を「ハンモックみたい」と言う人もいました。メッシュなので暑めの地域に住んでる人、暑がりの人にはベターです。ただアームレストはジェスチャーチェアに比べると調整範囲が狭く、リクライニングもそこまで気持ちよくはないです。でも一般的な、1日中マウスとキーボードに向かうような使い方では、背もたれも座面もアーロンチェアとジェスチャーチェアの快適さは同じくらいでした。アーロンチェアには12年保証が付いてきますが、保証がなくてもよければ、ちょっと使った中古品をかなりのディスカウントで買えることもあります。
サイズ選びがポイント
アーロンチェアには、体格に合わせて3つのサイズがあります。今回試したのはサイズB、これは155cmから200cmのほとんどの人に推奨されてます。でもサイズチャートは身長と体重で推奨を判定するようになってるので、買うときは必見です。あるテスト参加者はちょうどサイズBとサイズCの境目のサイズでしたが、サイズBは幅が狭すぎ、リクライニングも楽すぎてうっかり後傾してしまうことがあると言いました。サイズで迷ったときは、大は小を兼ねる、と考えたほうが良さそうです。
サイズが合っている限りアーロンチェアは快適で、メッシュは熱がこもりにくく、背もたれに汗じみが…なんてこともないし、弾力感も良いです。テスト参加者によっては、長時間作業にはジェスチャーチェアよりアーロンチェアが良いという人もいました。
設計思想が好きになれるか?
ただアーロンチェアは、ユーザーが正しい姿勢でまっすぐ座り、一般的なデスクワークをこなすことを念頭に作られています。たとえば足を組んで座ると、アーロンチェアでは落ち着かないですが、ジェスチャーチェアなら立ち上がるまでは足を組んだことすら忘れてしまうかもしれません。ただやっぱりサイズが大きな違いを生み出します。アーロンチェアではチルトテンション(リクライニングに必要な力)も調節できるんですが、それでもサイズAとBを使った小柄なテスト参加者は、リクライニングして角度をキープするのがやや難しいと感じ、サイズCの人はリクライニングが簡単すぎるという真逆の意見でした。アーロンチェアは、ユーザーの良い姿勢をサポートするといういわば強制的エルゴノミクスの考え方なんですが、それが好きかどうかは人によって分かれるかもしれません。
アーロンチェアのランバー(腰)サポートはダイヤルとチルト機構で調節しますが、ジェスチャーチェアに比べると操作が少し難しいです。しかも全体的にジェスチャーチェアに比べると、アーロンチェアは調節できることが少ないです。たとえば座面の奥行は調節できないので、その意味でもサイズ選びがすごく重要になります。アーロンチェアのアームレスト調節はアームが上下に動くのとパッドがハの字に開いたり閉じたりするのみですが、ジェスチャーチェアはアームレスト全体が斜めに開いたり閉じたり前後にも動いたりして、必要なときに空間を作り出せます。アームレストの高さ調節も厄介で、まず背面にあるスイッチを押してアームをアンロックし、アームを動かして、再度ロックしなきゃいけません。
ランドマーク的デザイン。長く使え、愛せる
見た目に関しては、アーロンチェアは多くの人にとっての「オフィスチェア」と聞いて思い浮かべるものを定義したランドマーク的デザインです。今回テストで使ったのは色が「ミネラル」(ライトグレー)だったので、ありがちな黒よりはオフィス感が薄まります。フレームの仕上げは豪勢にポリッシュドアルミニウムにするかサテンにするか、みたいなオプションもあります。
アーロンチェアには12年保証が付いていて、修理やパーツはすべてカバーされます。ジェスチャーチェアは動くパーツは隠れてますが、アーロンチェアは堂々たるスケルトンで、交換も簡単なパーツが多く自力でも可能です。ジェスチャーチェアと比べてアーロンチェアのほうが丈夫そうに見えるかもしれませんが、それはほとんどが金属と固いプラスチック、メッシュでできているからでしょう。Wirecutterの編集者、Thorin Klosowskiはクラシックなアーロンチェアを10年以上使っていて、引っ越しも何度もしていますが、それでもまだ新品同様だそうです。
おすすめのオプション設定
アーロンチェアには細かいオプションがいろいろありますが、たいていの人におすすめできる組み合わせはこんな感じです。
・サイズ:サイズチャートに従う
・背面サポート:ポスチャーフィットSL
・チルト:スタンダード
・アーム:高さ調整可能なアーム
・アームパッド:スタンダード
・キャスター:堅床、カーペット用
この組み合わせで、米国のHerman Miller直販ではだいたい1200ドル(約13万円)、さらにアームを前後・角度まで調節できるアジャスタブルアームにすると65ドル(約7000円)追加になります。Herman Millerの中の人によると、ほとんどの人はチルトリミッターや前傾チルトが必要ないとのことで、Wirecutterのテストでも同様に感じました。それでも前かがみになりがちな人は、105ドル(約1万1000円)のチルトリミッターとシートアングルのオプションを付けてもいいと思います。
アーロンチェアは、非メッシュのチェアより掃除が簡単です。メッシュは簡単に拭き取りができ、毛の抜けるペットを飼っていても、布張りクッションほど毛がくっつきません。
アーロンチェアは2016年にモデルチェンジしたんですが、中古市場には旧バージョンも出回っていて、そちらもまだまだ現役で使えます。その場合価格は米国だと400ドル(約4万3000円)以下とかなりお買い得。中古だと保証が付きませんが、eBayでいろんなパーツが手に入るので、どこかへたっても器用な人なら自力で直せる…かもしれません。
予算を落とすなら「Herman Miller セイルチェア」
Herman Millerのセイルチェアは、予算とハイエンドチェアのちょうどいい落としどころになっています。ほとんどの人にとって必要十分な調節機能があり、快適で、座面はしっかりしたフォーム材、背面が通気性の良いプラスティックメッシュになっています。ただ高度な調節はできず、たとえばジェスチャーチェアみたいに座面の奥行とかアームの位置を自在に変えたりはできません。とはいえ、半分の価格で保証は同じ12年、Herman Millerの信頼性も付いてきます。それに好みは分かれるものの、ジェスチャーチェアとかアーロンチェアよりずっと特徴的なデザインです。
セイルチェアは1日座っていても快適で、テスト参加者の中でも小柄な人はとくに気に入っていました。ラバーメッシュの背もたれは寄りかかると適度に伸縮し、背骨のS字カーブを1日中しっかりサポートしてくれます。オプションで高さ調節できるランバー(腰)サポートもありますが、セイルチェアに座ると自然に姿勢がまっすぐになるので、ほとんどの人は必要ないと言ってました。座面は高品質の布張りで、長持ちしそうな硬めのクッションが入っています。でも柔らかめのクッションが好きな人には、ジェスチャーチェアのほうが向いています。
調節の幅が狭め
セイルチェアには必要な調節機能は入っていますが、それ以上ではありません。ほとんどの人が、作業内容に合わせて上下、幅、奥行、角度の調整ができるオプションのフルアジャスタブルアームを付けたくなると思われます。リクライニングの最大角度とか強度も調整できますが、操作ノブを何回か回さないとその違いに気づかないです。ある大柄のテスト参加者は、Maxまでリクライニングするのが簡単すぎると言っていました。座面の奥行は16インチ(約41cm)で、たいていの人のももを支えられるはずですが、調整が必要な場合はアジャスタブルシートのオプションもあります。
独特なデザインが極めて魅力的
セイルチェアにはアーロンチェアと同じHerman Millerの12年保証が付いてきます。セイルチェアのプラスチックはアーロンチェアより柔らかく、金属の割合も少ないですが、耐久性も高いです。Wirecutterのロサンゼルスオフィスではセイルチェアが標準なんですが、1年半近く使っていても調節機能のスムースさや見た目は変わらずです。ただアームの動きがたまにガタつくこともあります。テストではプラスチックの背もたれが割れるのが心配でしたが、実際はすごく丈夫でした。
セイルチェアの最大の魅力はデザインだ、という人もいます。フレームのないラバーの背もたれは独特で、来客の目を引くことでしょう(『ハンガー・ゲーム』でも使われたくらいです)。背もたれとフレームは数色、座面には数十色のバリエーションがあります。
こちらもオプションがいろいろありますが、おすすめは、高さのみのアジャスタブルアームとシート奥行は固定、ランバーサポートなしです。シートの張地によって価格は高くなりますが、フル装備のジェスチャーチェアとかアーロンチェアに比べるとそれでも半額程度です。
手が届く価格で細かな調節機能。「HON Exposure」
(編注:本製品は、日本では購入することができません)
オフィスチェアに1日中座ってるわけじゃない場合、またはオフィスチェアに10万円近くかけたくない場合、HON ExposureはWirecutterが試したお手頃チェアの中でベストです。価格は250ドル(約2万7000円)以下で、でも座り心地もそれなりに良く、この価格帯では調節機能も一番多いです。同価格帯以下のチェアと比べると、HON Exposureのパーツや素材は、安定感のある(グラグラしない)アームレストに滑らかなキャスターなど、丈夫でクオリティが高い感じがします。デザインの美しさで賞をもらうことはなさそうですが、座面の素材はレザーと布から選べます。
この価格で座り心地が長持ちするチェアを見つけるのは簡単じゃありません。でも今回試した4つのお手頃チェアの中で、HON Exposureは唯一、長時間座った後でも痛みや不快感がありませんでした。アームレストは柔らかいプラスチックと軽いクッション素材なんですが、感触としてはそこそこ長く使えそうだし、最初は石みたいに硬かったクッションも3週間ほど座るとこなれてきて、飛行機のシートみたいに感じることはなくなりました。IKEAのマルクスは値段は同じくらいですが、何週間も座っていても、超格安飛行機に閉じ込められたような座り心地が続きました。HON Exposureの座り心地は、全体的にはアーロンチェアに及ぶべくもないんですが、他のチープなチェアと比べると少なくとも基本はしっかり押さえていて、座面の幅もゆったりしています。
高級チェアと比べなければ、気持ち良く座れる
HON Exposureの背もたれのランバーサポートは上下に動きますが、テスト参加者は誰もその存在すら気づいてませんでした。そのへんはお手頃チェアだから仕方ないかとは思いますが、よりフィット感を高めるために、ランバーサポートクッションを後付けするのも可能です。
HON Exposureはチルトテンションも調節できますが、ノブを何十回も回さないと調節できてるのかどうかわからなくて、かつテンション最大でも最小でも違いはあんまりありません。リクライニングしても動くのは背もたれだけで、アーロンチェアとかセイルチェアと違って座面は動きません。これだと体を伸ばしたときに足が浮いてしまって、気持ち良さは激減です。でもこの不満は、10万円、20万円以上のチェアとその半額以下のチェアを比べるから出てくるのであって、HON Exposureだって十分気持ち良いんです。他のお手頃オフィスチェアは、1日中座ってもいいようなまともなランバーサポートとか座面のパッドがなかったり、さらにはやたら前のめりな姿勢を強制されて、ほとんど椅子から押し出されそうなものだったりしました。
HON Exposureの強みはそれ以外の部分での調節機能の豊富さで、これによって座る人にフィットしたチェアになります。座面の奥行や高さ、アームの高さが変えられます。アームの位置は上の3つのチェアほど低くはならないんですが、他のお手頃チェアはアームの調節自体できません。でもアームの調節機能は、10脚のチェアに座り比べたテスト参加者の中にはマストだという意見もあります。座面高は最小18インチ(約46cm)と、ジェスチャーチェアやアーロンチェアのサイズBより2インチ(約5cm)高いので、小柄な人には向いてないです。WirecutterライターのMelanie Pinolaは5フィート2インチ(約157.5cm)で、HON Exposureでは座面を最低にしても足を床に付けられないと言ってました。
プレミアム感は少ないけど、頑丈さは十分
HON Exposureには5年保証が付いてますが、保証が効くのは壊れたときだけで、SteelcaseとかHerman Millerみたいにパーツの経年劣化までカバーしたりはしてないです。
とはいえ、HON Exposureはこの価格帯にしては頑丈です。フレームの大半は硬いマットなプラスチックでできていて、耐久性がありそうです。座面を覆う布は、当然ながらジェスチャーチェアほど目が詰まってなくて、プレミアム感が低いです(オプションでレザーにもできるので、そうすればプレミアム感が出るかもしれませんが、試せてないです)。タイトなメッシュがトランポリンみたいに感じられるアーロンチェアと比べると、HON Exposureの背もたれのメッシュはキャンプ用チェアみたいに体が沈みます。
ただこのへんの不満は、価格を考えれば小さなものです。この価格帯のチェアは1〜2年でボロが出始めるものですが、HON Exposureは4〜5年は十分持ちそうな感じがします。
ほかの「推せるオフィスチェア」たち
私たちがテストした中から、ほかにおすすめできるオフィスチェアを紹介しておきます。ある人と相性の良い製品がほかの人には合わない、ということはありますからね。実際、私たちがテストした製品の大半が悪いものではありませんでした。ただ、「合う人」が少し少なかったのです。
・Herman Miller Cosm(背もたれの高さをロー・ミドル・ハイの3種類から選べます)
・Autonomous ErgoChair 2(編注:国内販売なし)
・AmazonBasic Mid-Back Mesh Office Chair(編注:国内販売なし)
・Knoll Chadwick(編注:国内では入手難)
・Steelcase Amia(編注:国内では入手難)
・Alera Elusion(編注:国内販売なし)
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June 26, 2020 at 07:30PM
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