米国では、店舗やオフィス施設などの再開に向けた動きが広まってきた。
それにより、オフィス企業が一定の規制下で営業再開できるようになっている。社員の多くはなるべく長くリモートワークを続けようとしているが、企業もまた、オフィスをなるべく安全な環境にしようとする取り組みを続けているようだ。
この職場におけるソーシャルディスタンスというニーズが、一部企業にビジネスチャンスを生み出している。本稿では、職場の仕切りや個別包装された必需品など、各社でソーシャルディスタンス実現のために行われている取り組みを紹介する。
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新たな法令遵守のための変化
米国政府やニューヨーク州などでは、施設再開に向けたガイドラインの遵守が求められている。2メートルのソーシャルディスタンスも定められており、オフィス内のデスク配置は容易ではない。
職場用の調度品を販売しているブランチ(Branch)は、在宅勤務がはじまったことで個人カスタマー向けの商品のマーケティングを開始した。そしていま、職場への復帰がはじまるなかで、同社はより衛生面で優れた新商品の販売を進めている。
ブランチの共同創業者、ベリティ・シルベスター氏は「もっとも需要が大きいのがパーティションだ」と語る。同社のカスタマーの7割はニューヨーク州を拠点とする企業だという(小売企業が営業再開に慎重な地域でもある)。同社はロサンゼルスのエージェンシー、エンブレム(Emblem)と提携して複数サイズのパーティションを開発した。シルベスター氏は、これによって組み立てが容易な小さな個室のような空間が生まれるとしている。
ブランチのクライアントの大半は中小企業で、オフィス空間全体を改築するには予算不足というところが多い。たとえば一番人気は6人用のデスクで、3000ドル(約32万円)までの価格設定となっている。この場合、隣の人との距離は60センチメートル程度だ。これに200ドル(約2万1300円)から300ドル(約3万2000円)のパネルを取り付けるほうが、新しいデスクを複数購入するよりずっと安上がりだとシルベスター氏は語る。そして急な変化に対応できるように、同社は4週間でこのパネルを発送できるようになっている。
このパネルが正式に発売されたのは6月第2週のことだ。「カスタマーからの反応は非常に良く」、企業クライアントから多数の注文がきているという。
健康面の対策
営業を再開した公共の場では、床面へのデカール貼り付け、お手洗いの頻繁な清掃が一般的な慣習となっている。だが、医療プライバシーについて定めた法律を遵守しつつ、従業員の健康面に気を使うのは容易ではない。
ニューヨークの医師でありラディッシュ・ヘルス(Radish Health)の共同創業者バイラル・ペイテル氏は、企業ヘルスケア分野の企業はより摩擦が少なく、従業員の監視とテストを行える方法を探していると語る。B2Bのバーチャル医療サービスを提供しており、3月にCOVID-19の自宅テストも立ち上げた同社は現在、「職場再開プラットフォーム」を展開し、オフィス施設などの営業再開支援サービスを提供している。
ラディッシュ氏の新たなプログラムでは、社員がコロナウイルスの症状に関連した健康状態を通知できるようになっている。「毎日、全員をテストすることは出来ない」と同氏は指摘し、社員がバーチャルで非侵襲的(生体を傷つけない)な症状チェッカーで通勤前にテストをすることで、州の規則も遵守できるようになるとしている。
各社員は症状とウイルスへの接触を毎朝確認し、それに応じて通勤が許可される。たとえ実際にはコロナウイルス関連でなくとも、何らかの症状のある社員には医師のバーチャル訪問診断や場合によってはテストの予約をとるという。
また、段階的なオフィス復帰の場合においても、このデータを毎日入力することで「復帰する社員の増加に合わせた全体の健康管理」に役立つとペイテル氏は語る。
公共の場を無菌状態に
オフィスの再開に合わせて、共用キッチンもより万全な健康と安全対策が求められている。米国の多くの州やCDCのガイドラインでは、キッチンや休憩エリアで適切な距離を確保するために社員の上限数を設けることを定めている。また、電子レンジやウォータークーラーといった手で触れる機器は、濃厚接触を避けるために十分なスペースを確保して設置する必要がある。
オフィス用キッチンのスタートアップは、こうした点を考慮して新たなサービスを提供している。デジタル飲料自動販売機メーカーのビビ(Bevi)は最近、新製品および既存の製品に、スマートフォンによるタッチレスの自動販売機能をつけると発表。この機能はビビの全機械に無料で取り付けられる。また、新しい製品には自動でタッチレス機能が追加されるとのことだ。
またオフィスで共用の間食やビュッフェ形式の料理が提供されることもなくなる。かわりに社員は食事の配達などを選ぶようになることが考えられる。食事の配達スタートアップのフレッシュリー(Freshly)の創業者兼CEOのマイケル・ウィストラック氏は、これは企業カスタマーに向けたアピールチャンスになると語る。
フレッシュリーではすでに社員用の食事を提供するB2Bモデルを提供しており、この需要が徐々に回復しつつあるという。多くのクライアント企業で社員の働く場所が1箇所に定まっていないことから、同社では個人にあわせた配達場所や食事の希望を毎週更新している。
よりパーソナルに
袋詰めされた間食や飲み物はこれまで数十年にわたり社内サービスとして幅広く普及してきた。だがスナックネーション(SnackNation)のCEO、シーン・ケリー氏は「そこから一歩進むには?」と問いかける。同社は食事のサブスクリプションサービスでヘルシーな間食を提供しているが、自宅にいるカスタマーに向けて宅配サービスをはじめていた。
そんな同社も、オフィス向けサービスを再開しようとしている。ケリー氏によれば、ここ2週間でオフィス向けの注文が倍増しているという。だが、まだ在宅勤務している社員も多く、企業の現場ではどこに食事を送るべきかといった混乱が生じている。そのために同社はよりシームレスなサービスの提供を目指しているとのことだ。
またケリー氏は、栄養を考えた食事の需要が増えていると明かす。「休憩室に間食を山のように積み上げるだけでなく、より個人向けの食事への需要がある」と同氏は語る。すなわち社員ごとの味の好みや食事制限といったプロフィールを活用したサービスだ。
同氏は、今企業には新たなビジネスチャンスを創出するため考える必要があると指摘し、次のように述べた。「B2Bの製品であれば、こういった進化を続けるニーズに合わせた流動的なサービスが求められるだろう」
Gabriela Barkho(原文 / 訳:SI Japan)
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