新型コロナウイルスがオフィス市況に与える影響に不動産関係者が神経をとがらせている。IT企業を中心に解約の動きが出始めているためだ。大手企業の多くは今のところ解約に慎重だが、これまで活況を呈してきたオフィス市場には悲観論も浮上。業績悪化や働き方改革の進展次第では「オフィス不要論」に火が付く可能性もある。
生産性向上に手応え
「午後も社長を元気にするぞ!」「おー!」。5月下旬、中小企業向けの経営コンサルタント業務を手掛ける白潟総合研究所(東京)のバーチャルオフィスで昼礼が行われ、連絡事項を伝え合った後に従業員らが一斉に掛け声を発した。
4月から従業員約30人が自宅などでリモートワークを開始。問題なく業務を進めることができたため、東京本社と大阪支社の解約を決めた。その代わりネット上に新オフィスを開設。仮想の会議室や食堂などで真面目な話から雑談まで気軽にできるような仕組みをつくった。白潟敏朗社長は「生産性が上がった」と手応えを感じている。
名刺管理サービスのSansan(東京)は採用計画の見直しに伴いオフィスの一部を解約した。サーバー管理などを展開するさくらインターネット(大阪市)も原則リモートワークの方針を継続。田中邦裕社長は、雑談したり、社内外で勉強会や交流会を開いたりするのにオフィスは役立つとしつつ「集中するために来るのであれば意味がないし、物事を決めることもオンラインでできる」と断言する。
IT系企業などの仕事は、パソコンとインターネットがあればこなせるケースが多いため在宅勤務と相性が良く、高額な賃料を支払って感染リスクのあるオフィスを構える必要性は薄い。日本総合研究所は東京都心で全就業者の1割が自宅などでの勤務を続けた場合、オフィス空室率は15%近くまで上昇すると予測する。
業種や社風で温度差
一方、日立製作所や三菱電機など大手企業も働き方改革を加速しているが、オフィス解約の動きは目立っていない。ある不動産関係者は「契約途中の解約は違約金が発生する。リモートワークが機能するかどうかは業種や社風などに左右される側面もあり、二の足を踏む企業は少なくない」と分析する。
不動産サービス大手のCBRE(東京)の担当者は「室内の密集を避けるようなレイアウトが増えることで、全体として必要なオフィス面積はこれまでとそれほど変わらない可能性もある」と指摘。オフィス仲介大手の三鬼商事(東京)が調べた5月末時点のオフィスの空室率は東京都心で1.64%、大阪市中心部で2.18%と低水準だった。
ただコロナ禍で景気は急速に悪化。解雇や雇い止めは日を追うごとに増えている。大手証券アナリストは「政府の経済対策に家賃補助が盛り込まれたのは明るい材料だが、景気の先行き不透明感は変わらない。オフィス不要論は不動産株や不動産投資信託(REIT)相場のマイナス要因になる」と指摘した。
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June 22, 2020 at 03:00AM
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