金沢市消防局は、新型コロナウイルスの感染対策として普及している消毒用アルコールや飛沫（ひまつ）防止シートに思わぬ危険が潜んでいると注意を呼び掛けている。一般家庭でも使われる消毒用アルコールは、台所のこんろやライターなど日常生活の中で引火の恐れがある。飛沫防止シートも火が付くと一気に燃え広がるとして、燃焼実験の動画を公開して市民に安全な設置方法を伝える。
市消防局によると、消毒用アルコールは常温で可燃性の蒸気を発生させ、火気に近づけると引火しやすい。アルコールで消毒した手ですぐにこんろやたばこに火を付けようとすると、火が燃え移る恐れがある。
夏場はバーベキューを楽しむ人も増えると見込まれ、予防課の担当者は「アルコールが乾かないうちに手を火に近づけるのは非常に危険。身近な存在だが、火気のある場所では使わないよう十分注意してほしい」と強調する。
可燃性の蒸気は空気より重く低い所に滞留するため、詰め替え時などは換気が必須とし、炎天下の車内に放置すると容器が破裂する場合があるという。消毒用アルコールが原因となった火災は、現時点で確認されていない。
市消防局は、店舗のレジや公共施設の窓口などで見掛ける機会が増えた透明の飛沫防止シートにも注意を促す。シートの材質は着火しやすいビニール製やナイロン製が多いためで、火気や白熱灯などから距離を取って設置するよう求めている。
１７日に行う燃焼実験では、白熱灯にシートを近づけた状態にし、焦げたり煙が出たりするかを確かめる。シートの端に火が付いた場合、どのように燃え広がるかも実験する。
動画は公式インスタグラムで公開する予定で、担当者は「感染対策としては大事な措置なので、火災に気を付けながら安全に使ってほしい」と話した。
北國新聞社
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June 16, 2020 at 11:52PM
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