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富士通はどうなるのか。ほぼ1年前の2019年6月、社長に就任した時田隆仁氏は「IT企業からDX企業へ」という経営方針を掲げ、Tシャツやジーンズ着用の許容、外資系IT企業日本法人幹部のスカウト、営業部門とSE部門の統合、デジタルトランスフォーメーション（DX）コンサルティング子会社の新設、中堅中小顧客向け子会社「富士通JAPAN（仮称）」の構想発表、など矢継ぎ早に手を打ってきた。
2020年7月1日には全社員の行動原則「FUJITSU Way」を12年ぶりに再定義し、富士通の「パーパス（purpose、存在意義）」を「イノベーションによって社会に信頼をもたらし世界をより持続可能にしていくこと」とした。
7月6日には「約8万人の国内グループ従業員の勤務形態はテレワーク勤務を基本とし」「2022年度末までにオフィスの規模を現状の50％程度に」するといった「Work Life Shift」と呼ぶ施策を発表、話題になった。
これだけ手を打った以上、何かは変わる。ただ、具体的に富士通がどう動いたら「社会に信頼をもたらし世界をより持続可能にしていく」ことになるのか、いま一つ分からない。
DX企業になるといっても、富士通はDXを「デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらすもの」と定義しており、やはり分からない。IT企業としての富士通は過去、革新的なサービスを一切出さず、ビジネスプロセスの変革にもまったく寄与しなかったのだろうか。
富士通と聞くと筆者は「夢をかたちに」という言葉をすぐ思い浮かべるが、富士通自身の夢や形がまだ見えない。そこで富士通の明日の形を5点、勝手に夢見てみたので報告する。グローバル企業になったため今は「夢をかたちに」ではなく“shaping tomorrow with you”がブランドプロミス（世間への約束）だそうだ。youに筆者も含めてかまわないだろう。
夢の1：日本ならではのビジネスプラットフォームを提供
夢の1番目である。日本の中堅・中小企業、さらには個人事業者の仕事を変革するビジネスプラットフォームを富士通は提供する。
仕事の変革について具体的に書きたいが、筆者の夢見る力が乏しいため思いつかない。例えば40年近く前からの課題として受発注業務に伴う電子データ交換（EDI）がある。様々な取り組みがされてきたが、今なお受発注にファクシミリを使っていたり、取引先の大手企業ごとに受発注のシステムを使い分けたり、といった状態が続いている。誰でも利用でき、受発注ができるワークプレイスを富士通が提供できればパーパスに合う。
ビジネスプラットフォームと書いたのは、仕事を変えるために何らかの業務までプラットフォーム側でこなす必要があるからだ。ITのプラットフォームにとどまっていては従来型IT企業の仕事になってしまう。
富士通の定義によると、DXにおいては「デジタル技術とデータを駆使」する。ビジネスプラットフォームを富士通が担えば、そこで飛び交うデータを富士通が「駆使」してプラットフォームを改善し続けることができる（各種法規制には当然従う）。
富士通にはグローバル企業として世界に資するビジネスプラットフォームもつくってほしいが、まずはローカルからだ。実際、富士通ブランドの構造を説明するイラストを見ると、同社の立ち位置として“The Japanese ICT Company”“Commitment to local service”と書いてある（余談だが先々“The Japanese DX＆IT Company”と書き直す必要があるのではないか）。
中堅顧客向けの新会社の社名として「富士通JAPAN」が検討されている。2020年3月26日付の発表資料には「全国の自治体、医療機関、教育機関を担当する（富士通の）ビジネス部門と、民需分野の準大手、中堅・中小企業を担当する株式会社富士通マーケティングを統合した新会社を発足させ」「強固な顧客基盤とテクノロジーをベースに付加価値の高いサービスを提供するビジネスインテグレーターとして7月1日に事業を開始」と書かれていた。
本稿を執筆している7月14日において新会社名はまだ発表されていないが、システムインテグレーターにとどまらず「ビジネスインテグレーター」と名乗る以上、ビジネスプラットフォームづくりに挑戦してほしい。
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July 16, 2020 at 03:00AM
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オフィス半減・基本テレワークで「一番風呂DX企業」に変身する富士通 - ITpro
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