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後方支援から経営の最前線へ 次世代バックオフィス実現に必要な「3つの美徳」とは? - ITmedia

 バックオフィス業務に従事するワーカーの“地位”は、時代の変遷とともに揺れ動いている。その昔には、営業の後処理を押し付けられたり、直接的な利益を生み出さないことから「コストセンター」と呼ばれたりするなど不当な扱いを受けることもあった。いや、今、この記事が読まれている瞬間にも、そういった風潮が色濃く残る企業も数多くある。

 また、企業のデジタル化に振り回されてきたのも、このバックオフィサーたちといえるのではないだろうか。2000年代に入って多くの企業がコンサルティング会社やITベンダーに勧められるがままにERPやSAPを導入。各業務に合わせ、過度なカスタマイズを実施したために複雑化してしまった。その結果、「システムはあるのに紙の手続きが異常に多い」「システムに柔軟性がないからExcelファイルだけが乱立している」という現象が起こっている。いうなれば、システムを企画した部門とITベンダーの自己満足が優先され、現場の効率化は達成されていない……これが日本企業のIT化の実情といえる。

これまでも機運はあったが変わり切れなかったバックオフィス(出所:ゲッティイメージズ)

 さらに近年、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が注目されるようになった。00年代のIT化とは大きく違い、システムが上位にあり、それが“ベストプラクティスで正しい”という前提で組み立てられているという特徴を持っているキーワードだ。本来であれば、システムに運用を合わせに行くくらいに劇的な変革が求められるものだが、現在、所々で進められている「DX」の多くが、そこまで到達していない。結局、日本の企業は「IT化」「DX」という言葉に振り回され、バックオフィスの現場は苦しめられている状況は一切変わっていないと指摘する人もいる。

 さらに、追い打ちをかけるように、バックオフィサーにとって不都合な未来予測が登場する。13年、英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が発表した「雇用の未来」では、今後なくなる仕事として簿記や会計などの事務員、データ入力作業員などが挙げられている。

 しかし、潮目は突然に、くしくもこのコロナ禍の影響によってやってきたと業務設計士として活躍する武内俊介氏は指摘する。武内氏は、企業が生き抜いていくためのバックオフィスが目指すべき「次世代バックオフィス」を標ぼうし、そのためにバックオフィスが求められる美徳として「怠惰・短気・傲慢」の3つを挙げている。コロナによってバックオフィスにどういった変化が起こったのか、また武内氏が標ぼうする、次世代バックオフィスや3つの美徳とはどういったものなのだろうか。

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August 03, 2020 at 08:00AM
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