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テレワーク導入でオフィス移転 コロナにめど立てば都市部回帰も - ITmedia

産経新聞

 新型コロナウイルス感染拡大を機にテレワークなどの導入が相次ぐ中、企業のオフィス活用が注目されている。身軽なベンチャー企業などは移転や縮小に動き、都心のオフィスは空室率の上昇が目立ってきている。オフィス移転や縮小を後押しするサービスも相次いで登場。ただ多くの社員や事業を抱える大企業はテレワーク拡大に慎重な見方もあり、長期的には都市部のオフィス需要は回復するとの観測もある。

photo 東京ポートシティ竹芝のオフィスタワー(東急不動産提供)

 「(新型コロナで)テレワーク中心となり、オフィススペースが縮小できる」

 ロボット開発のQBIT(キュービット)ロボティクスは10月2日、本社を東京都千代田区から中野区に移転した。商談向けのロボット展示スペースは残したが、面積100平方メートルと移転前の約半分。通信系ベンチャーのソラコム(港区)も2月に導入したテレワークが定着し、11月に港区のオフィス面積を3分の1まで縮小する。

 緊急事態宣言などをきっかけに、企業は感染防止対策としてテレワークの活用にかじを切った。東京商工会議所によると、3月に26.0%だったテレワーク実施企業の割合は5月下旬から6月上旬の調査では67.3%に拡大している。そして今後もテレワークの活用が見込まれる中、浮上したのが賃料コストのあるオフィスの扱いだった。

 「企業が生産性を高める上で不要なスペースを見直す動きはこれまでもあったが、新型コロナ禍でその流れは加速した」

 不動産サービス大手ジョーンズラングラサール(JLL)リサーチ事業部の大東雄人ディレクターはこう指摘する。訪日客向けアプリ開発を手掛けるワメイジング(港区)のように全従業員を在宅勤務に切り替え、10月末でオフィスを全面退去する事例もある。

 市況にも変調の兆しがみられる。不動産仲介会社の三鬼商事(東京)が東京都心を対象に調べた9月末時点のオフィス平均空室率は前月から0.36ポイント上昇し、3.43%となった。

 空室率は貸室の面積のうち空いている割合だ。都心への拠点の集約や事務所拡張の需要が高まり、2020年2月末時点で過去最低の1.49%を記録した。だが、新型コロナの影響で反転し、7カ月連続で悪化して3年半ぶりの高水準となった。

 平均賃料は8月末に6年8カ月ぶりに下落し、9月末も1坪あたり2万2733円(前月比0.4%減)と2カ月連続で下落した。空室が増え、賃料引き下げにつながっている。

 こうした流れを商機ととらえたビジネスも広がりを見せる。アクトプロ(千代田区)は、退去を希望する企業と出店場所を探す企業とを結びつける。19年5月に始めたが、20年3月以降に問い合わせが殺到。2月まで平均月60件前後だった新規会員数は5月だけで約1100件まで跳ね上がった。月500円から家具を貸し出すサブスクライフ(渋谷区)も注文や問い合わせが新型コロナ流行前の3倍に上っている。

 ただ現状、オフィス移転や縮小に動くのは、中小・ベンチャーが中心。潮流が大企業にまで及ぶかは疑問符が付くという。

 オフィスの賃貸契約は複数年が基本で、中途解約は違約金のコストが重くのしかかる。情報管理上も社内の端末を社外に持ち出して業務を進めることはネットワーク上の危険性と隣り合わせの他、成果主義など人事評価をどう設計しなおすかも課題という。

 大東氏は「従業員を多く抱える大企業になればなるほどいろいろな弊害があり、対応には時間がかかるのでは」と予想する。

 3年後の23年は、東京・虎ノ門を中心にオフィスビルの再開発が完成、開業を迎える。それまでに新型コロナの治療薬やワクチンの開発で進展が見られれば、「旺盛なオフィス需要は以前のように戻るのが自然」(不動産関係者)で、都市開発が着々と進められているエリアにオフィスを構えたいとの需要が出てくることも予想される。


 新型コロナウイルス禍の再開発やオフィスづくりで、モノのインターネット(IoT)などの技術を活用する動きが加速している。不動産資産を意味する「プロパティー」と「テクノロジー」を組み合わせた「プロップテック」という造語で呼ばれ、新型コロナ対策としても期待が高まっている。

 20年9月に開業した「東京ポートシティ竹芝」(東京都港区)のオフィスタワーでは、ビルを行き交う人々のデータをセンサーで収集、ビル利用者が館内の飲食店や施設の混雑状況を把握できる仕組みをとる。

 新型コロナ前から、不動産開発では二酸化炭素(CO2)の排出量削減や、オフィスで働く人の健康や衛生環境の向上のためにIoTを駆使した「スマートビル」開発の動きが世界的な潮流。感染対策にも役立つとして、プロップテックの注目は高まっている。

 東京では大型のオフィス供給が相次ぐ。JLLのまとめでは、東京の主な大規模オフィスの新規供給面積は20年に66万平方メートルに達する。その反動で21、22年は落ち着くが、23年に再び面積60万平方メートル近くの新規供給が控える。JLLの大東雄人ディレクターは、「テクノロジーの採用や安心して働けるオフィスづくりは今後、ますます重視されるだろう」とみている。(経済本部 岡田美月、松村信仁)

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October 28, 2020 at 05:00AM
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