2018年から20年にかけて、世界各地で「過去最悪」とも呼ばれる森林火災が相次ぎました。地球温暖化が一因とも指摘されていますが、現場で取材してみると別の側面も見えてきました。オーストラリア、ブラジルのアマゾン、米カリフォルニアで何が起きているのか、特派員が報告します。
温暖化対策、鈍い豪州政府
オーストラリアの森林火災が収まらない。
昨年8月からの延焼面積は日本の国土の約6割にあたる2300万ヘクタールを超えた。シドニーのある南東部ニューサウスウェールズ(NSW)州は特に被害がひどく、540万ヘクタール余りに達している。1935年以降で最悪だった38~39年(359万ヘクタール)と74~75年(354万ヘクタール)の被害を大きく上回っている。
豪州で森林火災自体は珍しくない。森に多いユーカリの木の葉は油分を含んでいて燃えやすく、南半球の春から夏にかけては落雷などで火災が起きやすい。だが、今季はなぜこれほど被害が広がっているのか。
豪気象局によると、NSW州では2017年からの3年間の降雨量が1900年の観測開始以降で最少だった。19年は豪州全土でも年間降雨量が最も少ない一方、気温は最も高かった。
「不幸なことに森林火災には完璧な条件が作り出された」とシドニー大のデール・ドミニーハウズ教授(地球科学)は指摘する。火災が広がるのは、40度前後の高い気温に乾燥した強風が重なるときだ。大規模な火災の煙でできる「火災積乱雲」が、落雷や強風をもたらし、さらに火災を広げてしまうこともある。
豪気象局は、人間活動による温暖化と気候変動が、森林火災が起きやすい気象条件の「少なくとも部分的な原因」とみる。ドミニーハウズ教授は「温暖化による海水面上昇は大雨や熱波など異常気象をもたらすが、豪州では高温、乾燥として表れている」と言う。火災で保水力が失われた森林に雨が降ると洪水や土砂崩れが起こる心配もある。
欧州連合(EU)によると、昨年9月から1月6日までに豪州の森林火災で排出された二酸化炭素(CO2)は4億トン。豪州の年間排出量の7割超にあたる。英気象庁は今年の地球のCO2濃度の増加幅が、豪州の森林火災の影響もあり、58年の観測開始以来で最大規模になると予測する。
「気候変動で森林火災が多発→温室効果ガスの排出増→気候変動を助長」。未曽有の森林火災は、こんな気候危機の現実を、国際社会に突きつけている。
だが、「当事者」の豪政府の動…
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February 18, 2020 at 06:00AM
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