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活況矢先の火災 若手が立て直す 尼崎の杭瀬中市場 - 朝日新聞デジタル版

 兵庫県尼崎市の杭瀬中(くいせなか)市場で7月、飲食店など6軒が焼けるなどした火災があり、復興資金を募るクラウドファンディング(CF)が立ち上がった。呼びかけたのは市場内で店を始めて間もない若者たち。「再興に向けて、自分たちも力になりたい」と話す。

クラウドファンディングは8月23日まで。詳細は、https://ift.tt/3kbnssk

 阪神電鉄杭瀬駅の北約300メートル、複数の商店街と市場が網の目のように広がる通称・杭瀬商店街。その一角に杭瀬中市場がある。戦後の闇市から発展し、庶民の暮らしを支えてきた。最盛期には南北40メートルほどの通りに約40店が営業したが、高齢化や後継者不足で精肉店や鮮魚店など15店ほどに減っていた。

 しかし、昨年から今年にかけて空き店舗を改装したイベントスペースや飲食店などの新規出店が相次ぎ、若者がやってくるように。「中市場には来なかった客層が足を運んでくれるようになり、喜んでいた矢先の出来事だった」。杭瀬中市場協同組合副理事長の石原和明さん(55)は肩を落とす。

 県警尼崎東署などによると、7月3日夜、春先にオープンしたカフェバーから出火し、隣接する豆腐店やスーパーなど5軒に延焼した。カフェバー隣の店舗兼住宅からは、2階で一人暮らしだったとみられる高齢男性の遺体が見つかった。

 カフェバーは音楽やお笑いを志す若手に舞台を提供する「演芸ホール」があり、中市場で調達した食材や総菜を客にふるまっていた。同署は調理場付近から出火したとみている。

 中市場のアーケードの一部が焼け落ち、電気設備も被害を受けた。照明もつかなくなったが、火災2日後には商店主らが営業を再開した。

 昨夏から市場内でイベントスペースを運営する映像クリエーターの廣瀬有哉さん(23)は、その奮闘ぶりをユーチューブに投稿し続けた。火災当日もサイレンを聞いて現場に駆けつけ、消火活動の様子を撮影した動画を投稿した。

 「大きな火災だったから、CFで復興資金を集めようと思いついた。現状や地元の頑張りを知ってもらえれば、より集まりやすいと考えた」。市場や商店街の若手店主らでつくる「杭瀬アクションクラブ」のメンバーでサラダ店を営む石黒裕介さん(43)らと、数日後からCFの準備を始め、7月18日に開設した。

 目標額は200万円。照明や冷房設備、アーケードの修復に役立ててもらう。廣瀬さんは「杭瀬に暮らすようになってちょうど1年。自分を受け入れ、好きなことに挑戦させてくれた町のために、力を注いでいきたい」。(小若理恵)

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August 04, 2020 at 03:00PM
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